低学歴Fラン大学卒でも諦めない!

私は巷では「Fランク」と呼ばれる大学から業界の大手の一角の会社に入社することができました。しかし、それをゴールと思うことなく、常に探求心を持って仕事に限らず色んなことに挑戦し、学び、知識や体験を得ることで人生を充実させることができると確信しています。幸せの定義は人それぞれ。逆転の発想で人生を楽しむことを追求したブログ。

ゼネコン現場監督の1日 ~仕事内容は?激務って本当?~

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こんにちは。天野ジャンクです。 平均程度の大学でしたが、運よく大手建設会社(スーパーゼネコン)に採用されて10年が経ちました。

 

本日はよく激務だと言われる現場監督ってどんな仕事なの?楽しいの?辛いの?どんな環境なの?という様々な疑問を持っている方が多いかと思うので状況別に仕事内容の一例を書いていきたいと思います。

 

 

 

【着工前・若手】

~業務内容~

着工前、若手の職員はあまりできること(やること)がありません。

着工前はこれから始まる工事をどう進めていくか、出てきている図面に不備はないか、各工事を決められた予算内でどこの業者に発注するか、計画や図面チェック、原価管理の仕事がメインです。そのため、ある程度経験を積んだ職員でないとできません。それでもまれに、人手不足などから若手が配属されることがあります。

その際に与えられる仕事と言えば安全書類の作成、仮設工事事務所の計画や土量やコンクリートの数量拾いと言った積算業務です。

工事の入札段階の見積もりの時に積算はもちろん行っていますが、工事が発注され、図面の詳細を進めていくと見積もり時の数量から変わることがあります。と言うよりほぼ絶対変わります。

いくら工事の計画や原価管理を入念にやっても数量が違うと狂いが生じます。そのため、実施の数量が必ず必要になってくるので特に着工時は多少の積算業務は発生します。

 

~繁忙度~

安全書類も積算もマイペースでできます。安全書類は雛型に沿って入力してくだけの書類が大半ですし、積算はCADとエクセルを駆使すれば比較的簡単に出せます。

仮設事務所の計画もある程度要望を言えば協力業者がほぼ作成してくれるので苦ではないはずです。

朝は朝礼があるわけではないので定時出勤で良いですし、帰りも定時で上がろうと思えば上がれるはずです。

 

 

【着工前・中堅】

~業務内容~

中堅職員は若手で述べた「これから始まる工事をどう進めていくか」を計画する業務になると思います。全体工程表という着工から竣工までの工程表を基にそれを守るためにはいつ各工種の協力業者を呼んで、いつまでに次の工種に引き渡さなければならないかなど月間工程表と週間工程表を作成する作業や敷地をどのように使って工事を進めるかなどの作業があります。

 

~繁忙度~

たいていの場合上記の業務にプラス先述した若手職員の業務があります。(この時期に若手が配属になるのはまれなので)

そのため、現場は動いてなくても作成すべき書類がかなり多いです。工事計画はなるべく早く固めないとその先の工程や計画も決まりませんのでマイペースでやっているとあとあと自分が苦しむことになります。現場が動いていないため、土日は休みで朝は定時出勤で行けるかもしれませんが、その分、夜は21~23時頃までやる日も出てくると思います。

 

 

【着工前・中間管理職】

~業務内容~

中間管理職は若手で述べた「図面チェック」の仕事がメインになってきます。「図面チェック」と一見簡単そうに見える業務ですが、かなり経験が必要で、責任重大な業務だと個人的には思っています。

一つの図面が間違っていないかチェックするのは当然のことですが、それに取り付いてくる次の仕上げ材がその図面通りに作ってちゃんと納まる(取り付く)のか。これのチェックに経験が必要なんです。納まらない(取り付かない)場合は形を変えて図面を変更しなければいけないし、納まる(取り付く)としても非常に手間がかかったり、精度を確保するのが難しかったりすればまた、図面を変えてもらう必要があります。それらの事象に「気付く」ためには、これも経験が必要なんですね。

気付かずに現場を進めて納まらない(取り付かない)ところに遭遇してしまったら、その場軽微な図面変更ですめば良いですが、制作物の作り直しや、解体して作り直さなければならないなどということになれば工期や予算にも多大に影響を与えます。

図面を変更するのですから、図面を書いてきた業者や設計者、場合によっては施主とも打ち合わせもしていかなければなりません。

 

 ~繁忙度~

仕事内容は上述の通り、非常に大変で責任重大な業務です。

当然ですがここに部下の管理もありますし、場合によっては原価管理業務、工事計画業務もやることがあります。

工事の規模にもよりますがある程度の規模になると一人ではできません。

管理職なので残業代は付きませんが残業をしないと終わらない業務かもしれません。

 

【着工前・現場所長】

~業務内容~

所長方針に依るところが大きいです。原価管理を自分でやるという所長もいれば、自分は現場の責任者なので近隣や施主対応を主にやる方、全てを部下に一任し、自分はあくまで部下の業務管理をするという方。

 

 ~繁忙度~

ほぼマイペースでできるのでやろうと思えば定時上がりの土日祝日休みは可能です。

 

 

【工事最盛期・若手】

〜業務内容〜

現場で現在進んでいる工事の調整、職人さんとの直接のやりとり、写真撮影+まとめ、安全書類の作成とやることが多種に渡ります。

中堅職員や中間管理職の方が考えた工事計画に沿って工事を実行していく役割です。とは言え全ての工種を管理するのは不可能なのでたいてい、コンクリート打設担当、鉄筋担当、内装担当、外装担当、外構担当など担当を工種によって分け、工事が進むにつれて担当も移り変わっていきます。

現場に出ている時間が最も多い時期であり、年代であります。

 

〜繁忙度〜

数年程前までは「若いうちは昼間は現場に出て職人さんに色々教えてもらって仕事を覚え、安全管理をして、夜に安全書類や工事の段取りなどの事務仕事をしろ」という風潮で日中に事務所で事務作業をしている若手は悪だという人もいましたが、今では全く逆で「現場に出っぱなしは段取りが悪いからだ。現場に出る時間は最小限にし、なるべく事務所で事務仕事や翌日の段取り作業をこなし、残業を少なくして早く帰れるようにしろ」という風潮に明らかに変わりました。

事務所内自体は早く帰りやすい環境の事務所が大半ですが、業務のボリュームはそれなりにあります。現場に人員が揃っており、段取りを良くして現場にいる時間を減らすとができるとそれなりに早く帰れると思います。

また、上司の工事計画や手配、段取りの上手さにも左右されます。めちゃくちゃな計画や若手職員や職人さんが理解するには難しいやり方等だと苦労すると思います。

 

【工事最盛期・中堅】

〜業務内容〜

現在進んでいる工事の管理、手配をしながら次の工事の段取りと手配をする現場の中心役と言ってもいいかもしれません。実際、現在進行形の工事の管理、調整は若手職員にやってもらうのですが、かなり早い段階でその工事の計画をするのは中堅社員なので自然と上司、部下、職人さんからあれこれ聞かれ、頼られる存在になることが多いです。

やりがいとしてはかなり感じられるかもしれませんが、次の工事の計画をすると同時にその対応に追われるのでかなりの業務に追われることになりがちです。

 

〜繁忙度〜

自分の計画スピードやアイディア次第な部分もありますが、付く上司部下にもかなり左右されます。

付いた上司が図面の調整が後手後手だったり、協力業者の選定が遅かったり、変なこだわり等があって好きに計画をさせてもらえなかったりすると当然中堅職員の作業も鈍りますし、どれだけ上手くて、わかりやすい計画を立ててもそれを積極的に部下が進めていってくれなかったりすると結局工事も自分で見ることになり、その傍ら次の工種の計画をしなければならないので昼は現場、夜は事務所で計画という悪しき習慣になってしまいます。そうなると帰るのは23時や日をまたいだり、泊り込むことになるケースも増えます。

 

【工事最盛期・中間管理職】

〜業務内容〜

中間管理職は工事最盛期も変わらずどんどん先の工事の図面チェック、修正、納まり検討となります。その傍ら現場の品質、安全の管理や3か月工程表などある程度長めの先々の工程表を作成する業務が入ってきます。もちろん原価管理も業務の一つです。

ある程度の規模になってくると業者選定や見積金額のネゴ等の原価管理をする中間管理職、先々の工種の図面を打ち合わせをしながら決めていく物決めを進める中間管理職、工事管理、工程表作成、安全・品質管理など現場によく出て工事全般の管理をする中間管理職など担当を分けることもよくあります。

 

〜繁忙度〜

付く上司部下によって左右されます。

特に部下です。安心して任せられる現場を回してくれる部下がいれば自分は要所要所で現場に出て確認をし、フォローする程度で自分の仕事を進められます。まぁ、これはどこの組織でもそうだとは思いますが・・・

部下が頼りないと「部下の責任は上司の責任」でもあるので部下の仕事もしなければならない状況になります。部下を教育するのも中間管理職の務めではありますが、いくら丁寧に教えても飲み込みの悪い職員がいるのは世の常です。

頼りになる部下がいれば18~19時に帰ることは可能ですがそうでなければ終電帰りが続くことも・・・

 

【工事最盛期・現場所長】

【着工前・現場所長】と同じです。

 

 

【竣工前・若手】

〜業務内容〜

だんだんと現場にいる職人さんが減ってきて、管理する工事は減ってきます。現場では美装屋さんが引き渡し前のクリーニングをしている状況。若手はこれまでの工事の写真や品質管理表など施主に引き渡す竣工書類のまとめで事務仕事が多くなってきます。現場に出てやることと言えば施主や監理者の竣工前の検査に立ち会い、記録をまとめ是正指示事項を職人さんにやってもらう手配を行う作業になります。

 

〜繁忙度〜

穏やかで平和なひと時です。ほぼ毎日定時に帰れます。

ただし、短工期で突貫現場の場合は上記の【工事最盛期】のままなし崩し的に竣工を迎えるので穏やかな時間は訪れません。

また、この時期になると工事最盛期の時ほど職員は必要ないですし、若手を欲しがっている他の新しく始まる現場があるはずなので竣工を迎えずに《転勤》ということはざらにあります。

後ほど竣工を迎えるまで現場に留まる方法をまとめのところで少し触れたいと思います。

 

【竣工前・中堅】

〜業務内容〜

【竣工前・若手】とほぼ同じ内容になります。しかし、経験の差でどのような竣工引き渡し資料が必要かがわかっているのでそのとりまとめや資料作成指示を若手にするような業務を担うと思います。

 

〜繁忙度〜

マイペースでできるのでほぼ定時に帰れます。

ただし、短工期で突貫現場の場合は上記の【工事最盛期】のままなし崩し的に竣工を迎えるので、終電帰りもあり得ます。

 

【竣工前・中間管理職】

〜業務内容〜

竣工図のまとめや協力業者との精算業務、会社に出すための最終利益のまとめ書類の作成がメインの業務となります。

 

〜繁忙度〜

マイペースでできるのでほぼ定時に帰れます。

ただし、短工期で突貫現場の場合は上記の【工事最盛期】のままなし崩し的に竣工を迎えるので、終電帰りもあり得ます。

 

【竣工前・現場所長】

 〜業務内容〜

先述した中間管理職の業務をすることもあります。

部下にやらせる場合はほぼ出てきた書類のチェック程度の業務です。

 

〜繁忙度〜

突貫現場でない限りほぼやることがないと言っても過言ではありません。

引き続き定時帰り、暦通りの休みを取得できます。

 

 

【まとめ】

一言、楽をしたければ現場所長にはなるべきです!もちろん責任は大きくなりますが、それを管理するのが仕事ですから。

激務かどうかは個人の受け取り方次第かと思います。若いうちは激務と言える時期があるのも事実ですが、現場で職人さんと会話したり、事務所の雰囲気が良いと楽しいと思えることも多いです。

 

最後に、竣工に立ち会いたいなら・・・

せっかくその現場に携わったのだから竣工の日までその現場にいたいですよね?

竣工前はそれまでの多忙な日々が嘘のような穏やかの時間が流れます。

竣工後、メンバー解散の最後まで残される職員には以下の特徴があり2~3個に該当しています。

 

・所長に気に入られている。

所長も人間ですから、気の合う奴やおもしろい奴を当然ですが残したくなります。

 

・その現場全体のことを理解していて、行動力があり、所長からの信頼が厚い。

所長も次の新しい現場があります。基本的に所長は現場の部下を選べませんが、竣工した現場の不具合対応等で竣工現場の部下がそばにいた方が対応も早くできて、会社としてもメリットがあります。そのため、所長の信頼が厚い職員は「竣工現場の不具合対応」という名目で最後まで残し、次の現場に連れて行くことがあります。

 

・内装や外構担当など竣工間際までの工事のメイン担当である。

当然ですが竣工間際までやる工事の担当者を他の現場に出したりはしません。

 

・中堅職員以下である。

単純に中間管理職は人件費が高いので業務が減ってきたら自ずと早めに次の現場に行かされることになります。

 

・ほぼ全ての業種の原価管理を担当していた。

 最終的に会社に売り上げや利益をあげるのに居てもらわなければ困ります。

 

 

注意してほしいのが、所長にゴマすりをしろと言っているのではありません。

現場の竣工に向けて担当外や大変なことも率先して首を突っ込んで工事を進めようとする姿勢があり、それが所長に伝われば必然的に竣工まで残されるメンバーになると思います。